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zoom RSS 国会中継と吉原紹介

<<   作成日時 : 2017/07/24 20:30  

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本日、国会中継を生中継で見ました。
コマーシャルで遮られるのが嫌だったので、NHKテレビでの視聴です。

実は、国会中継同様に驚いてしまったのは、中継終了後、そのままNHKからチャンネルを変えずに見ていたところ、3時10分から始まった「TOKYOディープ」という番組です。
「ブラタモリ」風に、土地の歴史や文化を深掘りしていくモチーフなのですが、今回、取材されていたのは「吉原」でした。副題は「吉原エロおしゃれ土産」となっていました。

30分の番組内では、江戸時代に参勤交代の武士統制の役目を担ったところから始まり、戦時中の出征兵士の思い出作りの場としての役割やら、文化・芸術の発信地としての意義やらを、分析・紹介していました。現在の土地の様子も描かれていましたが、古風な味わいと人情の残った「江戸情緒を残した懐古的な街」として紹介されていました。そして現在、「吉原大好き女子」が、ポップな感覚で吉原を訪れているような様子も取り上げていました。
もちろん、それらを、否定するつもりは一切ありません。一面ではすべて真実かと思います。

現代文やら古文やら、あれこれ器用貧乏に渡り歩いている僕ですが、実は、専門は江戸文学です。遊郭の話やら遊女の話やら、そういった分野もあれこれ取り扱ってきました。
そんな中で思うこと、と同時に、物書きとしても思うことですが、文学・言葉というのは、なんとも曲者で、場合によっては本質の暗さを「隠蔽」してしまうことがあります。(意図したか意図しないかとかは問題ではなく、結果としての「隠蔽」)。江戸時代の「粋」という概念も、心底の欲望を体よく美化する装置としての役割もあると思います。
人間の欲望の薄暗さ、いたたまれなさ、やりきれなさ、残酷さ……それを、どこかに感じさせつつも、文章としての「粋な芸」に仕上げるというのは、たいへん難しい作業です。
下手をすれば、「美化」「隠蔽」に加担する文章になりかねません。

ということで、本日の「東京ディープ」ですが、そこで利用されていた「言葉」「文章」「映像」は、吉原の歴史や文化の発信地としての役割などを、大変よく語っていたと思います。しかし、一番、本質的な「性産業」としての意味合いについては、深く言及されることはなかったと思います。
戦時中の役割として、「必要悪」として語られる場面がわずかにありましたが、それも、親心(親が若くして出征する息子の女性経験の場として必要とした)の一つとして、語られていました。
吉原に長く住んでいらっしゃる女性の方が「自分自身、女性ですので、今から思うと、それはどうかとは思いますが」というようなコメントをつけていらっしゃいましたが、その思いを深く辿ることはできていたでしょうか。

夏休みです。
若い女子中学生や女子高校生が、「花魁って素敵」って、何もわからずに、あこがれるようなこともあるかと思います。

以前、「従軍慰安婦は、看護婦さんのような人だと思っていた。もしくは歌手とか役者さんとか」と勘違いしていた女性と話したことがあります。日常的に使われる「慰安旅行」というような言葉の延長で考えるなら、むしろ彼女の勘違いは当然なことです。

本日の番組からは、同様な、言語による「結果としての隠蔽」を感じました。

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